2017年5月30日火曜日

人類・学・の外へ

渡辺公三先生の御退職を記念する論文集がこのほど刊行されました。わたしは、下記拙文を寄稿させていただきました。

渡辺公三・石田智恵・冨田敬大(編)
『異貌の同時代- 人類・学・の外へ』
以文社、2017年5月15日発行。

真島一郎 「力の翻訳- 人類学と初期社会主義」
   上掲書、pp. 353-391.

渡辺先生に初めてお会いしたのは、たしか1983年に、先生が駒場の演習授業を非常勤で担当されたときのことです。わたしは学部3年生で、演習のテクストは
Nuer Religion でした。とても静かな口調でとても尖ったことをお話しされる先生からたえまなく湧き出る緊迫感に、受講者一同、終始ビビりまくっていた記憶があります。

静かな口調が、なぜ論理としては張り詰めていくのか。
渡辺公三の聴き手や読み手は、おそらくすでにそのころから、或るひとつの問いと課題に向きあうよう、不断に促されていたからです。今回の論集の帯に記された一言は、その点でまぎれもなく事の本質を証しているのではないでしょうか。

「思考しえないもの」を思考するために

2017年5月26日金曜日

TUFS Cinema キューバ映画上映会

再来週の6月9日、
アゴラ・グローバル
プロメテウスホールにて『キューバ映画上映会』が
開催されます。

TUFS Cinema
キューバ映画上映会
2017年6月9日(金)
16:00~ (15:50開場)
入場無料・予約不要
上映作品:
『低開発の記憶
     -メモリアス-』
解説・トークセッション
比嘉世津子
(Action Inc.代表)×
久野量一(本学)

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『低開発の記憶-メモリアス-』
1968年/キューバ/104m/
トマス・グティエレス・アレア監督

作品あらすじ:1961年、革命後、妻や家族が国外に脱出するなか、作家のセルヒオは一人ハバナに残ることを決める。周囲の人物や社会を軽 蔑し、孤独に生きる彼は、激変する街のなかで、自らの記憶にすがろうとする。当時のドキュメンタリー映像をふんだんに使い、革新的な映像手法を用いて革命 後のキューバをみつめる、キューバ映画史上の最高傑作。
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なお、今年度春学期の火曜3限『グローバルスタディーズ』受講者には、この上映会に参加して簡潔なレポートを提出することを、初回アクティブ・ラーニングの課題とします。(提出先: 13日火曜3限、226教室にて)

久野量一さんの下記論考も、オープンアクセスで全文を読むことができます。ぜひ参考になさってください
久野量一 「『低開発の記憶』にみる植民地知識人の戦略 : カリブ文学論その1」

2017年5月18日木曜日

ガーナから

ガーナ大学に在籍しながら、アシャンティの看板絵師に弟子入りして長期フィールドワークをつづけている
森昭子(もり・しょうこ)さんから、こんなにチャーミングな写真を添えた近況報告のお便りをいただきました。

「息子が体調崩したりPCぶっ壊れたりいろいろありましたが元気にやっております。オールマイティのところで三ヶ月間弟子になりました。写真は最後の作品です」

息子さんのあらたくん、こんなに大きくなったんですね。本人にまっすぐ見つめられてるような、いのちの躍動がそのまま息づいている一品。師匠のお名前、絵師だけでなく教育者としても伊達じゃなかったね。市場によく置いてあるようなベンチが写っているのも、アトリエと木の匂いがここまでしてきそうです。

濃密な時の流れをそのまま注ぎこんだような
骨太のモノグラフをぜひ完成させてください。

森さんに最初にお会いしたのは、AA研最後の一年で開講した大学院の演習授業でしたね。あのときいっしょに勉強した高橋さん、立林さんの活躍も、陰ながらお祈りしています。

2017年5月8日月曜日

Amaryllis, ses pétales en lueur


蝶の影さしたのち

2017年5月5日金曜日

2017年5月4日木曜日

蝶の影さす




今年もけなげに冬越えをしてくれた
ガジュマル(上:もう20年ちかく同居)と、
バオバブ(中右:ダカール産)の枝払いを。

バオバブの枝の生命力については、
セネガルで存分に目のあたりにしていたから
伐った枝(中左)を試しに水に差しておいたら、
芽が出る…ね…。

アマリリスにも、夢みるような蕾が(下左)。

年度末のホムパで、
ゼミ生の「オケちゃん」が転倒してダメージを
喰らわせたクワズイモの赤子(下右)も、
無事、一命をとりとめた。


一日物云はず蝶の影さす