2024年9月24日火曜日
2024年9月4日水曜日
スージグァに漂う記憶の淵
小説家、崎山多美さんの新刊書書評を
このほど『琉球新報』紙に寄せさせていただきました。
琉球新報 2024年9月1日(日)第21面 読書欄
見出し 「崎山多美著『石の声は聴こえるか』 スージグァに漂う記憶の淵」(真島一郎)
2024年8月20日火曜日
フランス哲学における〈社会的なもの〉
秋の初め、下記イベントに参加させていただく予定です。
日仏哲学会 2024年秋季大会(創立50周年記念大会)
日時 2024年9月7日(土)−8日(日)
場所 東京都立大学(南大沢)1号館
形式 対面
9月7日(土)ワークショップ1(1-110教室)
10:00-12:00 「フランス哲学における〈社会的なもの〉:フランソワ・エヴァルドを起点に」
清水雄大+赤羽悠+白瀬小百合+真島一郎+渡名喜庸哲
2024年6月13日木曜日
石の声は聴こえるか
数年前にシンポジウムでご一緒させていただいた小説家の崎山多美さんがこのほど新たな評論・エッセイ集を刊行されました。
崎山多美『石の声は聴こえるか』花書院、2024年5月15日発行。
「水と闇、というつかみどころのない茫洋たる存在が、シマの記憶を誘う契機として切り離しがたくある、と気付かされたのは、じつは小説を書くことを意識しだしたころだった。私が、書く、という表現行為に生きるよりどころを求め、その書くためのよりどころが、生まれ落ちて十四年間を過ごしたあのシマの生活で私の身体を四六時中満たしていた水と闇をふりかえることにあった、ということ。[…]ここずっと、石の佇まいが気になってしかたがない。[…]私は、石の声を聴きたいと願っている。なぜひとびとは、石や岩という硬質な自然物に命の物語を託すのか。[…]失われてしまった命を想うこと。膨大な視えない命の層の一点に、己が在ることへの不可思議さ。この世もあの世もなく浮遊する魂を想像すること。この声を聴くために耳を澄ませること……。塊になって地表にへばりつく石は、なにを語ろうとしているのか。ヒトは、その声を聴くことができるのかー。」(表題エッセイより)