2020年10月19日月曜日

ドンズロ訳書 Erratum

心ある読者からのご指摘により、
本年1月刊行の訳書『社会的なものの発明』に、
印刷ミスが一箇所見つかった旨、
このほど版元のインスクリプトから連絡を受けました。

本文240ページの9~10行目:

(誤)「自覚した諸個人が(以下空白のまま改行)を
増すとともに」

(正)「自覚した諸個人が機動性(ルビ : モビリテ)を
 増すとともに」

言いかえますと、ルビ付の単語「機動性」が脱落したまま、本文が次の行に飛んでしまったことになります。版元によれば、おそらく校了時にDTPの入力ミス等で生じてしまった脱落とのこと。印刷工程上の過ちとはいえ、本書を購入してくださった読者のみなさまに、この場を借りまして、訳者からも深くお詫びを申しあげます。

(本記事の初公開日:2020年3月31日)

暴力の内旋


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロナ禍のもとでこの4月から延期されていた研究会をちかく開催する運びとなりました。 

Zoomオンライン開催なので、登録すればどなたでもご参加が可能です。

(以下、京都人類学研究会FBより)

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京都人類学研究会10月例会の開催について、下記の通りご案内申し上げます。どうぞふるってご参集ください。こちらはコロナにより開催を見直しておりました京都人類学研究会4月例会(「暴力の内旋ー南スーダン、パリ人の社会の変容:1985~2015」)を、京都人類学研究会10月例会として開催するものです。(以下敬称略)

【主催】
京都人類学研究会

【日時】
日時:11月7日(土)14:00(13:30開場)-17:00

【開催方法】
今回も、前回の7月季節例会と同様にZoomでのオンライン開催となります。
参加希望の方は、11月6日の正午までに以下のフォームからご登録をお願いいたします。

https://docs.google.com/.../1DMGQS3bhvEvMqnkbcWHSQCY.../edit
※入力内容を送信後、自動返信メールが送信されます。自動返信メールが届かない場合、メールアドレスが間違っている可能性がありますので、お手数ですがもう一度ご入力ください。
自動返信メールにてZoom研究会参加のためのリンクをお知らせします。
また、研究会開催の前日にも再度リマインドのメールをお送りしますので、リンクはそちらでもご確認いただけます。

【タイトル】
「暴力の内旋―南スーダン、パリ人の社会の変容:1985~2015」

【発表者】
栗本 英世(大阪大学 教授)

【コメンテーター】
真島 一郎(東京外国語大学 教授)
酒井 隆史(大阪府立大学 教授)

【要旨】
1985年の時点で、南スーダンの東エクアトリア地方に居住するパリ(Pari)人の社会は、自律的で凝集性が強く、まとまったものに思えた。家屋が密集した6つの大集落がリプル(Lipul)の丘の周囲に存在し、政治制度の核となっていたのは、年齢組織(階梯式の年齢組組織、Mojomiji system)と首長制であった。本報告の目的は、1985年に開始され現在も継続している内戦状況の中で、年齢組織の階梯間、集落間、そして支配年齢階梯と人びととのあいだで頻発した暴力的事件、そしてその結果生じた社会の分断と政治制度の機能不全を、社会の軍事化、あるいは「暴力の内旋」という観点から、民族誌的に記述し分析することである。

【プログラム】
14:00-14:05 趣旨説明 
14:05-15:05 講演
15:05-15:20 休憩
15:20-15:35 コメント 真島 一郎(東京外国語大学)
15:35-15:50 コメント 酒井 隆史(大阪府立大学)
15:50-17:00 総合討論

【備考】
*京都人類学研究会は京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ研究者・大学院生がその研究成果を報告する場です。
*参加希望の方は、事前に上記Googleフォームまでご連絡ください。どなたでも自由に参加いただけます。
*今回はZoomでの開催となるため資料代はいただきません。
*講演会後の懇親会はございません。

【問い合わせ先】
京都人類学研究会事務局:2020kyojinken@gmail.com
京都人類学研究会2020年度運営委員
* 代表:岩谷 彩子
* 学生幹事:赤坂知美、秋葉瑠美花、浅井薫、井尻和雅、泉向日葵、稲垣美帆、今井惇、大坪聖奈、奥田真由、奥野衣莉香、柏美紀、加反真帆、加藤舞、河崎涼太、川畑一朗、呉人花、小寺典子、Khon Yan Hong、佐々木悠、十文字樹、志田夏美、柴本元、瀬名波英志、竹内優希、竹下光、竹田響、田中亮汰、田中瑠莉、谷優太郎、対本祝子、Devin、中西萌、三木陽子、皆木香渚子、森内こゆき、谷島亘、山口優輔、山本始乃、吉野月華

2020年4月8日水曜日

Paya paya




近刊予定のエッセイ集で、ギニアのこの名曲にまつわる私的な記憶をひもといてみました。

Kade Diawara  «Paya paya»

フルボリュームで試聴すれば、彼女の声がもつ力を感じていただけるかもしれません。

2020年4月4日土曜日

春学期 2020






































2020年の世界は、かつてなく異常で悲しむべき春を迎えてしまいました。
他大学と同様に、東京外国語大学でも春学期の始業が4月下旬に順延され、授業もオンライン体制で臨むことになりました。
新入生のみなさんに向けて実施すべきオリエンテーションも、今年度はやむなく動画配信を介してとなりましたが、 2020年度版『国際社会学部の歩き方』も含め、私たちは格別の思いと配慮をこめて、大学の案内を届けることに努めました。

◇ 動画オリエンテーション:
http://www.tufs.ac.jp/student/lesson_course/onlineclasses.html
◇『東京外国語大学 国際社会学部の歩き方2020』PDF版:
http://www.tufs.ac.jp/documents/education/ia/outline/2020ia_arukikata.pdf
◇「新入生履修スタートガイド」(今年度限定配信):
http://www.tufs.ac.jp/documents/education/ia/outline/2020ia_startguide.pdf

2020年3月21日土曜日

暴力の内旋


★★★ 下記研究会は、今秋10月31日(土)に延期となりました(4月4日追記)。


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来月、京都人類学研究会の例会に、コメンテーターとして参加させていただくことになりました。
https://www.facebook.com/kyojinken/


京都人類学研究会四月季節例会

日時:4月11日(土)14:00~
場所:稲森記念館3階大会議室   *予約不要、資料代200円

発表:栗本英世(大阪大学)
     「暴力の内旋-南スーダン、パリ人の社会の変容: 1985~2015」

コメント:真島一郎(東京外国語大学) 酒井隆史(大阪府立大学)

発表要旨: 
1985年の時点で、南スーダンの東エクアトリア地方に居住するパリ(Pari)人の社会は、自律的で凝集性が強く、まとまったものに思えた。家屋が密集した6つの大集落がリプル(Lipul)の丘の周囲に存在し、政治制度の核となっていたのは、年齢組織(階梯式の年齢組組織、Mojomiji system)と首長制であった。本報告の目的は、1985年に開始され現在も継続している内戦状況の中で、年齢組織の階梯間、集落間、そして支配年齢階梯と人びととのあいだで頻発した暴力的事件、そしてその結果生じた社会の分断と政治制度の機能不全を、社会の軍事化、あるいは「暴力の内旋」という観点から、民族誌的に記述し分析することである。
 

2020年2月1日土曜日

卒論発表会2019

昨日、ゼミ4年生の「卒論発表会2019」を開催しました。

今年度4年ゼミの研究成果は、以下10編です。今年度の卒論ゼミでは、大作を書きあげたひとが続出しました。卒業にあたり自分自身にとって納得のいく水準まで論述の精度を高めてくれたみんなに、心からの感謝と敬意を。
                       (著者名非記載、順不同)

「倫理的主体の問題系にむけて―自己の救いと真理の語りとの関わりから」

「アントニオ・ブエロ・バリェホの現実的改革主義
             ―フランコ体制期の検閲下における演劇創―」

「声なき声を聞け!―日本におけるひとり親と子どもの貧困に関する研究」

「カルムイク人強制移住問題―1943-56年における彼らの「記憶」と現在」

「ジンバブエ全国伝統医協会の研究」

「ウズベキスタンにおける宗教と公権力に関する一考察
             ―スーフィズムの修行法ズィクルに注目して」

「文化遺産観光は「失われたアイデンティティ」の救世主になれるのか
             ―英国・バース市の事例から」

「ある記憶の迷宮―日韓徴用工「問題」を越えて」

「カオス! 技能実習制度―制度の中で生きる人々の人生と共に」

「ケムニッツ事件を考える―ドイツにおけるイスラム嫌悪の現在」

2020年1月30日木曜日

ピエリア・エッセイ「闇と声」


3年前に書いたエッセイが、このほど大学HPにポートレイト付きの広報記事として再録されました。
閲覧注意、きもっ。

http://www.tufs.ac.jp/
http://wp.tufs.ac.jp/tufstoday/pieria/
https://twitter.com/TUFS_PR/status/1222791777976872961

2020年1月28日火曜日

ゼミ論発表会2019

昨日、ゼミ3年生の「ゼミ論発表会2019」を開催しました。

今年度3年ゼミの研究成果は、以下10編です。今年度ゼミ論の特徴は、世界に対する生の表現を扱った考察が、相対的に多かったことにあるでしょう。               (著者名非記載、順不同)

「「クィア」とアートの交差点
     -1960-90年代のアメリカ現代美術から」

「ゆらぐヒト胚の尊厳
      -教皇庁教理省『生命のはじまりに関
       する教書』を事例に」

「非人間的世界に隠された人間性
        -アウシュヴィッツの特殊部隊」

 「我が同胞を国民に-1880-1910年代のチェコ地域
            におけるソコルの活動」

「奏ではじめた身体
      -表現者GOMAにとっての「自然」」

「哲学者としてのクリストファー・ノーラン
                -『メメント』と『インセプション』にみる近代的自我の見直し」

「「書くと描く」-書評とイラストで探る自己表現」

 「「真実」の書き方-青山和佳『貧困の民族誌』から」

 「他者の語りがひらくもの
           -マリオ・バルガス・ジョサ『密林の語り部』を読む」

「「危険な」映画-ジョーカーへの変貌が意味するもの」

2020年1月21日火曜日

ジャック・ドンズロ 『社会的なものの発明』

このたび訳書を刊行しました。

ジャック・ドンズロ
 『社会的なものの発明 -政治的熱情の凋落を
  めぐる試論』真島一郎 訳、インスクリプト、
  2020年1月20日発行。


やや長めの解説文も書きました。

 真島一郎
 「ドンズロの問いをひらくために
     -訳者解説に代えて」同書 313-421頁。


http://www.inscript.co.jp/b1/978-4-900997-74-5

https://www.amazon.co.jp/社会的なものの発明

★★★本書に一箇所、印刷ミスのあることが判明しました。詳細は本ブログの後続記事「ドンズロ訳書 Erratum」をご参照ください(2020年3月31日追記) 

2020年1月19日日曜日

再び見いだされた〈外〉

今週末に開催予定の
早稲田文化人類学会 研究大会で、
下記のシンポジウムにお招きをいただきました。

早稲田文化人類学会 第21回総会・シンポジウム
日時:2020年1月25日(土)
会場:早稲田大学36号館382教室
        (戸山キャンパス)

テーマ
  “身体の零度”を超えて
     :ドーピング・パラリンピック・呪術

パネリスト
竹村瑞穂
 アスリートの身体
   :ナチュラルとアンナチュラルのはざまで

渡 正
 スポーツにおける身体の範囲

真島一郎
 再び見いだされた《外》
   :西アフリカ・稲垣正浩・竹内敏晴

コメンテーター:小木曽航平
コーディネーター・司会:中嶋哲也

http://www.waseda.jp/assoc-wsca/soukai.html

2020年1月7日火曜日

香港の現在(いま)へ


 





香港の現状を深く思考するうえで重要な位置づけをもつ論集が、昨年末に刊行されました。

倉田徹・倉田明子 編
『香港危機の深層 - 「逃亡犯条例」改正問題と「一国二制度」のゆくえ』 東京外国語大学出版会、2019年12月27日発行。

これをうけて今月13~15日の3日連続で、注目すべき下記関連イベントが本学にて開催される予定です。同僚の倉田明子さんが昨年7月時点で下支えされた学生主体の緊急集会については、以前このブログでも紹介しましたが(2019年7月6日付記事)、今回の企画はそのひとまずの集大成になるものと期待しています。研究講義棟1階ガレリアで同時開催予定の、初沢亜利さんによる写真展の準備作業に、私も今日、一瞬だけお手伝いにうかがいました。初沢さん、手ずからの準備作業、ありがとうございます!

◆2020年1月13日(月・祝)
『香港危機の深層』出版記念シンポジウム
「香港危機に終わりはあるのか?」
 13:00~17:30
 プロメテウスホール(一般公開、無料、事前登録制)

◆2020年1月14日(火)
 特別授業「香港危機の深層の読みとき方」
  17:45~19:30
  227教室

◆2020年1月15日(水)
 TUFS歴史・地域研究セミナー
「“情報戦”から考える香港」
 17:45~19:30
 427教室