2018年7月20日金曜日

トークイベント大入御礼

今月5日に紀伊國屋書店新宿本店で開催されたトークイベントの模様が、本学HPにトピック記事として掲載されました。

http://www.tufs.ac.jp/NEWS/trend/180713_1.html

なお、同店で開催中の記念選書フェア「いまだ夜深き時代、『深淵の沈黙』を読む」も、予想を上まわる好評ぶりのため、8月9日(木)までの期間大幅延長が決まりました。
ぜひ足をお運びください!

2018年7月14日土曜日

アガンベン 『実在とは何か』

アガンベンの新たな訳書が、刊行されました。

ジョルジョ・アガンベン
 『実在とは何か - マヨラナの失踪』上村忠男訳、
          講談社選書メチエ、2018年7月10日発行。

 一九三八年三月二六日、イタリアの若き理論物理学者が郵便船ティレニア号に乗船したあと、忽然と姿を消した-。
 当時三一歳だったエットレ・マヨラナは、順風満帆に見える時期に、なぜ失踪したのか?  (本書裏表紙リード文より)

 八〇年前の一個体(の消失)をめぐる謎の挿話が、アガンベンの思想とどのように繋がっていくのか。そのことに最初はやや意外な印象をもちましたが、上村忠男氏による巻末の「訳者解説」では、アガンベンの《ホモ・サケル》プロジェクト、とりわけ二〇〇七年の著作『王国と栄光-オイコノミアと統治の神学的系譜学のために』と本書との連続性が指摘されていて、問いの新たな展望が、そのことで一気にひらけるような感覚を抱きました。

「現勢化とはいっさい関係をもたないかたちでみずからを露顕させるような純粋可能態の形態」 が、近代統計学と量子力学を背景として「現実態」に取って代わろうとする時代の界面において、「実在がみずからを実在として主張しうる唯一のやり方」、すなわち本書のタイトルに掲げられた問いそのものを引き出す挿話ないし痕跡としての「失踪」。

2018年7月6日金曜日

編集任期終了

日本文化人類学会の学会誌『文化人類学』(年4冊刊行)で、今期、第27期編集委員会が担当する最後の号
(第83-1号)がこのほど刊行されました。

今期編集主任として、本号で業務の総括に代えて
編集後記を執筆させていただきました。

真島一郎 「編集後記」 『文化人類学』83(1) : 137-138.

査読制改革の件もあり、この2年間に編集主任として受信したメールは、専用フォルダのプロパティ表示によれば、
約3500通にのぼりました。自分から書き送ったメールは
総計何通ぐらいに達しているのか、見当がつきません。

2年前までの自分が、毎日どのような朝と昼と夜をすごしていたのか、けっして誇張ではなく、すぐには思い出すことができない現状ですが、今夏から少しずつ自分のペースを
とりもどし、研究の現場に復帰できればと願っています。





[…] すると、声なき声はまた語った。「おまえは、子供にならなければならない。そして羞恥を捨てるのだ。
若者の誇りが、おまえの魂の中にまだ残っている。おまえの若さは遅れてやって来た。だが、子供になろうとする者は、自分の若さに勝たなければならない」。[…]                      (ファム・コン・ティエン)

2018年7月2日月曜日

マルクス価値(批判)論の新たな眺望

one-pound bill, REPUBLIC OF BIAFRA  (private collection)














先週6月30日のシンポジウムでは、下記の発言をさせていただきました。
『マルクスと商品語』の著者おふたりをはじめとした真剣な共同討議が、じつに贅沢な勉強の機会となりました。

真島一郎 「マルクス価値(批判)論の新たな眺望」

当日配布のレジュメ (PDF)、補足引用資料 (PDF)