敬愛する友、金井真紀の最新作出現!
やはり今回もイラストにあふれる、ふつうの人びとのやさしくやわらかな顔、顔、顔。幼い読み手の眼と心に、旅の思いがきっとふかく染み渡っていくはず。
金井真紀『春をよろこぶ みんなで踊る 世界でくらすクルドの人たち』(月刊「たくさんのふしぎ」通巻492号)、福音館書店、2026年3月1日発行。
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そのうちお姉ちゃんのシェキラ(15歳)が帰ってきて、みんなでドレスの話でもりあがる。シェキラがはにかみながら言った。「ネロウズのとき、男の服を着る女の子もいるの。わたしもいつか男の格好をしてみたいな」それを受けて、イブラヒミさんが教えてくれた。「近所の村には、男だけど女のドレスを着るラハさんという人もいる。彼のインスタは人気があるよ」女は女の服を着なさい、男は男の服しかダメ、と決まっていたらきゅうくつだ。ときどきその境を飛びこえる人がいて、まわりもそれを受け止めていて、なんだかホッとする。[…]翌朝、イランを出発した。シェキラ、チロー、ヒローと「またね」のハグをしたあと、イブラヒミさんに国境まで送ってもらった。[…]わたしはリュックをかついで、歩いてイラクに入国した。国境を越えて、山道を下ること1時間半、スライマーニーヤに到着した[…]日本に住むクルド人に紹介されたおじさん[…]物知りで顔が広いジャフさんは、連日、じょうだんを連発しながら街を案内してくれた。
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「クルド人は輪になって踊るだろう? 輪は1年を表す。1年、また1年と人生は続いていくんだ」(ホセインさん)
(本書本文・さし絵より)
