(2019年春号)が、このほど刊行されました。
今年は、 「神話の海へ」と題した特集が組まれています。
わたしは、以下の小文を寄せました。
真島一郎 「感受へとさしむける読み」 pp. 4-5.
(テクストリンク)
今年のエッセイの道しるべとして久しぶりに何度も聴いたのは、戸渡陽太のこの一曲。出遭いは、AA研から学部大学院に移ってまもない2015年5月、新美で催されていた『マグリット展』に行ったあと、六本木をぶらついて出くわした、かれのミニ・ライブでのことでした。華やいだ街には似つかわしくない面持ちの若者がこの曲の出だしを叫びはじめた途端、雑踏が撃たれたように静まりかえった光景は、いまも克明に憶えています。MVの背景を覆い尽くすような、黄昏にさしかかる時分の薄紫の空。その薄紫こそ、当時のわたしが己れの感受をさしむけるよう誘われた神話の薄明、存在の影だったのかもしれません。
今年の『ピエリア』には、昨年度末で退任した
出版会編集長としての短文も、号末に載せていただきました。
真島一郎 「映像と書物」 p. 79.