2025年4月2日水曜日

土地と抽象


 「戦争のクロノロジー」を特集とする新年度『ピエリア』に下記エッセイを寄稿しました。

真島一郎 「土地と抽象」『ピエリア 2025年春号』pp.32-33, 2025年4月1日発行。 



2025年3月24日月曜日

『クァドランテ』第27号

 

 

東京外国語大学 海外事情研究所発行の『クァドランテ』最新第27号が、本年も年度末3月31日に発行の運びとなり、急ぎ編集後記を作成しました。既刊の多くの掲載論文を、下記よりオープンアクセスにて読むことができます。https://www.tufs.ac.jp/common/fs/ifa/publication.html

海外事情研究所は、昨年2024年で創設70周年を迎えました。本誌編集をはじめ、研究所の活動をいっそう進展させていければと考えております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2025年3月20日木曜日

第21会水俣病記念講演会


 熊本大学の慶田勝彦さんが主宰する共同研究の枠組で、来月はこちらに参加させていただく予定です。

2025年3月11日火曜日

ファノン・パネル


 月末26日に、世界文学CLN主催の下記パネルへ参加させていただくことになりました。今日もなお向きあわねばならない問いの数々をあらためて学ぶ機会になればと考えています。

パネル「戦争と植民地主義の時代の人文知 フランツ・ファノン生誕100年を機に」

2025年3月26日(水)14:45~18:00

東大本郷キャンパス法文2号館1番大教室(オンライン併用 入場無料 予約不要)

暴力の解体 中村隆之

拷問と裁判をめぐる民衆の闘争 石田智恵

「植民地戦争性精神病」に触れる 佐喜真彩

カミュとファノン アルジェリアのフランス人 西成彦

討論者 真島一郎

司会 中村隆之

2025年2月28日金曜日

国境廃絶論

外大同僚の梁英聖さんが、たいへん重要な一書を共訳にて公刊されました。

グレイシ・メイ・ブラッドリー&ルーク・デ・ノローニャ著『国境廃絶論ー入管化する社会と希望の方法』[梁英聖・柏崎正憲訳]岩波書店、2025年1月21日発行。 

「[…]本書が批判するシティズンシップ闘争が欧米諸国の市民社会で勝ち取った反レイシズム規範も、それが国家に制定させた公的な反レイシズム法制や政策も、日本にはそれらさえ存在しないということ[…]二重国籍容認も非市民の地方参政権容認も差別禁止法・多文化主義政策もない日本社会で、欧米的な反レイシズムの限界を国境廃絶によって批判しようとする本書の議論を、どのようにして役立てたらよいのか[…]問題は規範よりも廃絶の次元である。二〇世紀に反レイシズム闘争が規範の一定の成立や国家の法律・政策の制定を実現する一方で、国境、監獄、警察のようなレイシズムのシステム廃絶には至らなかったという積み残した人類の課題を、本書の国境廃絶論は根本からやり直すよう迫っている。そのような廃絶闘争の過程のなかで、反レイシズム規範も、レイシズムという概念も、刷新と再生を余儀なくされることだろう[…]二〇世紀的な国民国家や欧米的な反レイシズム規範に頼るのではなく、一九世紀的な廃絶民主主義に学び、私たちはシステム廃絶の反レイシズムを新たに創出しなければならないのであろう。日本という多くの困難を抱えた地において、本書はこの普遍的課題に取り組むための大きな手がかりとなるはずだ」(本書「日本の読者のための解題」より)