【AA研創立50周年記念講演・シンポジウム開催のご案内】
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)は、
本年、創立50周年の節目の年を迎えました。
創立50周年記念事業の一環として、下記の通り10月24日(金)に
公開の講演・シンポジウムを開催いたします。
これまでの半世紀の研究活動を振り返るとともに、
これからの半世紀に向けて研究の方向を展望します。
みなさまのご参加を心よりお待ち申しあげております。
講演・シンポジウムには、どなたも無料でご参加いただけます。
参加を希望される方は、
事前にお名前(必須)、お名前のフリガナ(必須)、メールアドレス(必須)、
ご職業、勤務先/学校名を明記したメールを、
下記アドレスまでお送りください。
メールのタイトルには、「AA研50周年講演・シンポ参加申込」とご入力ください。
anniv50entry[at]aa-ken.jp (送信する際は、[at]を@に変更してください。)
・申し込みは1人1回とし、複数の申し込みは無効とします。
・申し込みは先着順となります。100名の定員となり次第、締め切りとなります。
・取得した個人情報は、当記念講演・シンポジウム以外の目的で使用することはありません。
・申し込み後、営業日(平日)3日以内に返信メールをお送りします。
返信メールが届かない場合は、申し込みができていない可能性がございますので、
お問い合わせください。
講演・シンポジウムを含むAA研創立50周年記念事業につきまして、
下記サイトもご覧いただければさいわいです。
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アジア・アフリカ言語文化研究所創立50周年記念講演・シンポジウム
【日時】2014(平成26)年10月24日(金) 13:00~16:30
【場所】一橋講堂
【プログラム】
13:00-13:10 開会挨拶 三尾裕子
アジア・アフリカ言語文化研究所長
13:10-13:50 記念講演 「アジア・アフリカ研究におけるAA研-回顧と展望」
石井溥 AA研元所長
13:50-14:00 休憩・準備
14:00-16:30 シンポジウム
14:00-14:20 シンポジウム趣旨説明 太田信宏(AA研准教授)
14:20-14:50 中山俊秀(AA研教授)
「文法とコミュニケーションの怪しい体系性―ありのままの言語研究の挑戦」
14:50-15:20 深澤秀夫(AA研教授)
「マダガスカルの村で〈世界〉をおちこちに読む―人が集まって暮らす景観が語るもの」
15:20-15:30 休憩
15:30-16:00 黒木英充(AA研教授)
「シリア内戦の奈落の底から―重層的現実に対する地域研究の挑戦」
16:00-16:30 床呂郁哉(AA研准教授)
「グローバル/ローカルを超えて―東南アジアの海域世界から見た新しい世界のかたち」
16:30-16:35 閉会の挨拶 太田信宏(AA研准教授)
※司会 太田信宏(AA研准教授)
シンポジウム趣旨
アジア・アフリカ言語文化研究所は、アジア・アフリカ地域を対象とした言語学、人類学、歴史学の研究を推進するために1964年に創立されました。研究所には、広大なアジア・アフリカ地域がもつ多様性・多元性を、言語、文化、歴史の側面から解き明かすとともに、それらの学問領域――言語学、人類学、歴史学――の発展にもアジア・アフリカの事例研究を通じて貢献することが期待されていました。1960年代のアジア・アフリカでは植民地支配からの解放が進みましたが、当時は諸地域の個性・多様性を探求することが、普遍性を掲げる諸学問の発展に直結すると信じられた時代でした。
しかし、50年という時の流れとともに、諸学問の領域においても、アジア・アフリカの現場においても、状況は大きく変わりつつあります。学問の領域では以前より、欧米の「近代」が生み出した価値や知識の体系を「普遍」的なものであるとして、それらに基づいて世界を分別し、秩序付ける一元的な世界認識が批判されるようになっています。また、アジア・アフリカの国々の経済力と政治力が増大するとともに、地域の「固有な」文化や価値観が見直され、それらを主張し擁護する声も高まりつつあります。諸学問の「普遍性」それ自体が揺るがされ、問い直されているとも言えるでしょう。
その一方で、グローバル化が進展する現在、世界が標準化し均質化し、これまでに人類が世界各地域で育んできた文化的な多様性・多元性が失われつつあるのではないか、という危機感を抱く人々も少なくありません。アジア・アフリカ諸地域の「発展」と一面では結びついたグローバル化が、文化的多様性・多元性の危機とその主張の双方を同時代に生み出しつつあることは皮肉なことです。このような現実をふまえるならば、グローバル化の進展が、世界各地の固有性や多元性を押し潰しているとの認識は、当の固有性や多元性の現実を軽んじていると言えるでしょう。グローバル化を巧みに利用し、したたかに独自の存在として自己を主張している地域や文化も多々存在します。
現在、均質化・一元化された世界と対置される多元的世界を探求することが求められています。しかしそれは、現実にはない理想を現実化する営為というよりも、既にそこにある現実をいかに認識するのかという問題なのかもしれません。しかし、均質化の現象と一元的論理を疑うことが、多様で多元的で雑然とした「現実」を網羅することで終わってしまうとしたら、それはグローバル化に対抗するどのような構成力をももちえないでしょう。そこを終着点ではなく出発点として、雑多な諸要素の無秩序とも見える集まり、無関係とも見える並存の内に全体性を把握すること―これこそが、均質化された、あるいは一元的な世界に対置されうる多元的世界を探求することの意義ではないでしょうか。多様性と多元性にみちた現実のある意味での渾沌性を確認し、そこから多様性と多元性を内包する全体性をいかに構想してゆくのかに、多元的世界の認識/実現はかかっていると言えるでしょう。
このシンポジウムでは、現在のAA研の共同研究の中軸を成す四つの基幹研究から選出されたAA研所員が登壇します。それぞれが研究対象とする渾沌とした現場の姿を紹介しながら、全体のあり方を見通す知と認識の可能性を、みなさんと共に考えたいと思います。
【お問い合わせ先】東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1