2018年5月28日月曜日

dos gardenias




























一鉢ためしに贖ってはみたものの、そして暗香ただならぬ妖しさはござれども、
やはり、梔子は梔子であって、「夏ふよう」で・は・な・い。 ウーム…

行き場を失くしたひとあし早い初夏の夢想は、そぞろ20年前のハバナに。
嗚呼、イブライム・フェレール。

Dos gardenias para ti,  
Con ellas quiero decir ......








2018年5月20日日曜日

ヴィーコ 『新しい学』


ヴィーコの『新しい学』が、美しい装幀のもと、装いも新たにこのほど文庫化されました。

ジャンバッティスタ・ヴィーコ 『新しい学(上・下)』 上村忠男訳、中公文庫、2018年5月25日発行。

一般に『新しい学』と呼ばれるヴィーコのこの主著には、三つの版が存在し、このうち
おなじ上村忠男訳で、法政大学出版局刊行の3巻本を2巻本に再編集した今回の文庫版は、
1744年の第3版(増補改定版)、『諸国民の共通の自然本性についての新しい学の諸原理』の日本語訳です。

                                 *

「諸民族の自然本性は、まずは粗野で、つぎには厳格、それから温和、つづいては繊細、
                                                  そして最後には放埒である」

「詩的記号の品位をそなえていたからこそ、アリストテレスはホメロスのつく嘘には
                                      他人の及びがたいものがあると言ったのである」                         
                                       (上・下各巻の裏帯に引かれた、本書の一節)

2018年5月17日木曜日

対談 TUFSCinemaで世界へ!


本学・東京外国語大学が2015年以来、内外の好評に支えられつつ手がけてきた無料一般公開の映画上映事業
TUFS Cinemaをめぐって、社会言語学・ウルドゥー語をご専門にされている萬宮健策先生と、このほど対談をする機会をいただきました。

真島一郎 × 萬宮健策
     「TUFS Cinema 2018 対談企画: TUFS Cinemaで世界の文化・社会の理解を深める」

ダイジェスト版(&印刷用PDF UpLoad) https://tufstoday.com/articles/180517-2/
対談全編  https://tufscinema.jp/interview180509/

TUFS Cinema ウェブサイト  https://tufscinema.jp/
     (今秋も小田マサノリさんとアフリカ映画特集を企画中! 10月12日の部分にご注目)


2018年5月12日土曜日

阿部年晴 『アフリカ神話との対話』

一昨年の秋にお亡くなりになった
恩師 阿部年晴先生の御遺稿が、刊行されました。

阿部年晴 『アフリカ神話との対話』 三恵社、
                      2018年3月16日発行。


「草の根の神話意識は生活世界に棲息しそこに深く根ざしているが、身のまわりの世界の在り方を自明のこととみなさず、人間社会を支える規範や制度(というフィクション)の究極の根拠を求める。それを社会や文化自体のなかに見いだすことができないので始原へと遡行し、そこで虚無の深淵に直面する。ところが興味ぶかいことに、この深淵は神話意識にとっては、単なる虚無ではなく万物の始原としての無や混沌だ。世界を飲みこもうとする脅威であると同時に、精神と文化が「他なるもの」(絶対他者)に遭遇する場でもある。
                […]
精神や制度の究極の「根拠」はそれ自体のうちにはなく、「他なるもの」(他者)との関係にある […] これが、神話が開示する真実だ」       (本書「なぜいま神話か」より)