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ソレルの新訳が新たに刊行されました。
ジョルジュ・ソレル『プロレタリアートの理論のために- マルクス主義批判論集』
[上村忠男・竹下和亮・金山準 訳]未來社、2014年8月15日
本書所収の訳稿三篇は、下記の通りです。
「労働組合の社会主義的将来」(1898年)
「マルクス主義の分解」(1908年)
「『プロレタリアートの理論のための素材』へのまえがき」(1919年)
『暴力論』をまたぐ年代幅で厳選された三つのテクストは、
訳者の上村氏が本書巻末に付した解説文「ソレルとマルクス主義」とともに、
通俗的なソレル否定論に再考をうながすはずの内容で、きわめて貴重です。
訳者のひとりである金山準氏は、今年に入ってからでも
岩波講座『政治哲学4 国家と社会』に、政治主体の変容という主題のもとで、
力強いソレル論を発表されている気鋭の研究者です。
1895年の『社会の未来devenir social』 誌創刊号にソレルが寄せたデュルケム批判の一文が、
私には20世紀転換期の「社会」学と「社会」主義を連絡させる基幹テクストのひとつと
思えているだけに、今回の訳業をたいへんありがたい贈り物と感じています。
おすすめです。