2024年11月26日火曜日

カリブ海序説


 このほど中村隆之さんが共訳にてグリッサンの『カリブ海序説』日本語訳を公刊されました。長く待ち望まれてきた一書です。

エドゥアール・グリッサン著『カリブ海序説』[星埜守之・塚本昌則・中村隆之訳]インスクリプト、2024年11月10日発行。 


「グリッサン思想のエッセンスを示す代表作完訳!   全篇を覆う危機意識、はるかに展望される独立への眼差しー。カリブ海のフランス海外県・マルチニックにあって、その歴史・社会構造・言語・人々の心性のありようを、厖大な言説を収集しつつ明らかにし、主体的な民衆にょる自立を訴求する。世界各地で民の抵抗が無化されつつある現在をも問いに付す大著」(本書帯より)

2024年9月4日水曜日

スージグァに漂う記憶の淵

 








 

 

 

小説家、崎山多美さんの新刊書書評を

このほど『琉球新報』紙に寄せさせていただきました。

琉球新報 2024年9月1日(日)第21面 読書欄

見出し 「崎山多美著『石の声は聴こえるか』 スージグァに漂う記憶の淵」(真島一郎)

https://ryukyushimpo.jp/news/culture/entry-3433445.html

2024年8月20日火曜日

フランス哲学における〈社会的なもの〉

 

 

 

 


 

 

 

 

秋の初め、下記イベントに参加させていただく予定です。

日仏哲学会 2024年秋季大会(創立50周年記念大会) 

日時  2024年9月7日(土)−8日(日)
場所  東京都立大学(南大沢)1号館
形式  対面

9月7日(土)ワークショップ1(1-110教室)

10:00-12:00 「フランス哲学における〈社会的なもの〉:フランソワ・エヴァルドを起点に」

                    清水雄大+赤羽悠+白瀬小百合+真島一郎+渡名喜庸哲

真島発表スライド

2024年8月1日木曜日

ゼミ夏合宿2024

 





今年も学生のみなさんと17人でゼミ合宿を行いました。

夏のとてもよい思い出となりました。




































2024年6月13日木曜日

石の声は聴こえるか

数年前にシンポジウムでご一緒させていただいた小説家の崎山多美さんがこのほど新たな評論・エッセイ集を刊行されました。

崎山多美『石の声は聴こえるか』花書院、2024年5月15日発行。

 

「水と闇、というつかみどころのない茫洋たる存在が、シマの記憶を誘う契機として切り離しがたくある、と気付かされたのは、じつは小説を書くことを意識しだしたころだった。私が、書く、という表現行為に生きるよりどころを求め、その書くためのよりどころが、生まれ落ちて十四年間を過ごしたあのシマの生活で私の身体を四六時中満たしていた水と闇をふりかえることにあった、ということ。[…]ここずっと、石の佇まいが気になってしかたがない。[…]私は、石の声を聴きたいと願っている。なぜひとびとは、石や岩という硬質な自然物に命の物語を託すのか。[…]失われてしまった命を想うこと。膨大な視えない命の層の一点に、己が在ることへの不可思議さ。この世もあの世もなく浮遊する魂を想像すること。この声を聴くために耳を澄ませること……。塊になって地表にへばりつく石は、なにを語ろうとしているのか。ヒトは、その声を聴くことができるのかー。」(表題エッセイより)

2024年6月2日日曜日

フィナーレは踊ろう!


 第5回難民・移民フェスが来月、平成つつじ公園で開催です。火曜3限の3・4年生のみなさん、火曜5限の1・2年生のみなさん、当日の晴天を祈りつつ、ぜひ会場でお会いしましょう。

2024年5月20日月曜日

マルクスと商品語を読む シンポジウム記録

 故・井上康氏(2021年ご逝去)を記念して、2018年に実現したシンポジウムの模様が、このほど文字記録となり本学国際日本研究センターの国際シンポジウム報告書第3号として刊行されました。

シンポジウム「今日の資本主義を批判するためにー『マルクスと商品語』を読む」

報告者:井上康、崎山政毅、浅川雅己、真島一郎、大橋完太郎、中村勝己(司会:友常勉)

PDFはこちら

 


2024年5月11日土曜日

シリーズ「生き抜く」

 

ゼミ卒業生の真世さん(共同通信社)が、ひとつの生が生き抜く姿について重要なメッセージを社会に届けてくれました。限られた字数で深い内容の記事となりえたのも、自分ではないだれかの声を、その声が生き抜くまま、じっと聴きとどけてくれたからではないかと考えています。

2024年4月18日木曜日

ガザ=ストロフ パレスチナの吟(うた)



 

 

5月10日、外大TUFSCinemaのパレスチナ・ドキュメンタリー映画上映会で「ガザ=ストロフ」が上映されます。入場無料・事前登録制(先着500人)で18時上映開始。本作上映後にはケリディン・マブルーク監督のトークも予定されています。

「2023年10月中旬、イスラエルによるガザ地区への軍事攻撃が始まってから10日後、共同監督の一人である友人のケリディン・マブルークからショートメッセージが届いた。「撮影から10年以上経ってもこの映画が今日的意義を持つとは思わなかった」と。また彼は、パレスチナの人々は常に西洋の視点から描かれ死亡者数という数に還元されてきたが、一人一人の顔を描き世界に伝えることが第一の目的だったと振り返る。本作はガザの地で生きる人々の姿を丁寧に描きながら、同時にパレスチナ問題の背景にある西洋諸国による二重基準、構造的暴力について浮かび上がらせる。ガザでは終わりの見えない悲惨な戦禍が続いているが(2024年3月現在)、作品が持つ「一人一人の声を伝える」力、世界の非対称性についての問題提起は今だからこそ多くの気づき、考えるきっかけを与えてくれる。(上映会フライヤー:「本作について」(二口愛莉:日仏通訳者・写真作家)より)

二口さん、シロウト教員による昨年末映画上映のバトンを、TUFSCinemaの見事な企画へと繋げてくださってありがとうございます!

2024年3月24日日曜日

卒業式2023


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一昨日3月22日に今年も学部卒業式を無事迎えることができました。ゼミからは今年度8名の4年生が巣立っていきました。ご卒業まことにおめでとうございます。年度前半は毎週のように多磨の「現場」にかよい、4年ぶりの夏合宿をへた後半には打って変わって机上の卒論執筆へと向かっていくみなさんの真剣な眼差しを、とても眩しく感じてきました。この場所でめぐりあったゼミ友との繋がりをこれからもできるだけ大切にしながら、社会のそれぞれの場所でご活躍されることを心より願っています。またいつの日かお目にかかる日が訪れることを。

2024年3月9日土曜日

大震災から13年

 

ゼミ卒業生の菜生さんが大震災後13年をまえに、番組メインディレクターとして良質の長編ドキュメントを制作してくれました。12日にも再放送があるようです。

ありがとうを3.11に伝えよう委員会 

 

昨夏放送のこちらも見事な出来映えのドキュメントでした。

小さな旅 ジャズ 輝いて ~仙台市~

2024年3月1日金曜日

死と乙女

 



















































畏友 飯島みどりが昨夏訳出したアリエル・ドルフマンの夜の戯曲が

このたびリーディング公演で日本語の舞台空間を揺曳するかけがえのない機会が実現しそうです。この一場の時に私もぜひ居合わせようと思います。

 「[…]強姦され拷問を加えられ、その上裏切りまでも経験した女主人公パウリナ、その彼女の境遇に我が心は悲憤極まるのだが、だがその彼女は同時に、舞台上には三人のうち誰よりも暴力に走る人格として登場し、それゆえ彼女への問いかけは他の二者に優るとも劣らない難題であった ー あなたはあなたを拉致した男たちと同じ部類の人間になろうとしているのか? あなたはまたテロルの円環にいついつまでも身を預けることになるのか? もしも向こうが忘却を要求してくるとするならいったいあなたは許しを代価として支払うことができようか?」 (ドルフマン「日本語版へのあとがき クーデタ五十年後の死と数多の乙女たち」より)

 「拷問は音楽と相性がよい[…]ラテンアメリカの「汚い戦争」こと一九六〇~八〇年代の軍政・内戦期に材を採る劇映画の数々は、拷問室にはラジオがつきものだったと教えてくれる[…]心おきなく拷問を遂行するには痛めつけられた政治犯が声を上げようとも近隣に聞き咎められない仕掛けが要る。そこで拷問が始まるとラジオの音楽専門局ー最も好都合なのはロックであるーの放送をボリュームいっぱいに流し隠れ蓑とする手が使われた」(訳者解題より)

 


 

2024年1月25日木曜日

自己への同化をこばむ思考

 

訳書刊行にあわせて『月刊ちくま』2月号に短文を寄せました。ウェブ上でも、まもなく公開予定です。

 https://www.webchikuma.jp/articles/-/3397

https://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/ 

真島一郎「自己への同化をこばむ思考ーレヴィ=ストロースとモンテーニュ」『ちくま』635:16-17, 2024年2月1日発行。

2024年1月19日金曜日

卒業論文2023

 


今年度卒業予定のゼミ4年生が、下記の労作7編を完成させてくれました。いずれもみごとな出来映えで、さすがだと感じます。みなさんおつかれさまでした。心から感謝しています。

「大本教の変遷 -まつろわぬ宗教が惹きつける者たち-」

「隠されるバウハウス第一期 -初期バウハウスとヴァイマル共和国-」

「彷徨する歴史の方へ -デリダ 『ハイデガー講義』における歴史への問い-」

「過去に囚われた者たち -2017年のカタルーニャ-」

「ガソリンを嗅ぐ -非-場所的ガソリンスタンドの蓋然性-」

「再生の霊火は何処にともるか-インドネシア革命における西イリアン解放-」

「 「いっぱいありますよ、外国人だから入居できないって言われたこと」
                     -保見団地、いちょう団地、芝園団地と外国人-」

2024年1月17日水曜日

ゼミ論発表会2023

 

卒業論文への助走として今年もゼミ3年生がみごとなゼミ論文を完成させてくれました。

ゼミ論発表会を以下の要領で開催します。

日時:1月29日(月)10:00-17:30            会場:326教室

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『ゼミ論文集2023』所収の全論文タイトルは下記の通りです。みなさんよく頑張りました。ありがとうございます。

「コロナ禍を経た現代における企業スポーツの役割と価値」

「世俗主義国家と宗教教育-トルコ共和国における1982年宗教科目の必修化」

「高齢者移動の現在-障害者たちによる当事者主権運動から学ぶ」

「ブロードウェイミュージカルの社会表象

            -舞台『ウエスト・サイド・ストーリー』とその批評から」

「差別への抵抗-在仏中国青年協会の活動」

「ストリートを取り返せ!-新宿西口とパレスチナにおける芸術文化実践をめぐって」

「アメリカ合衆国1875年ページ法-アジア人女性をめぐる表象問題の起点」

「@在日ベトナム仏教信者会-社会の問いに向けて-」

「マングローブ林に息づく暮らしと環境-ガンビア・タンビ湿地の保護を巡る現代史」

「加害性の社会的圏域-関東大震災にともなう朝鮮人虐殺と庶民」

2024年1月15日月曜日

モンテーニュからモンテーニュへ

 
 
このほど、ちくま学芸文庫より訳書を刊行いたしました。
 
レヴィ=ストロース『モンテーニュからモンテーニュへーレヴィ=ストロース未発表講演録』
(昼間賢 訳、真島一郎 監訳)ちくま学芸文庫、285頁、2014年1月10日発行。
 
同書にはやや長めの付論も寄せました。

真島一郎「南方の澱 ー レヴィ=ストロースとモンテーニュ」同書121-283頁。