ヴィーコの『新しい学』が、美しい装幀のもと、装いも新たにこのほど文庫化されました。
ジャンバッティスタ・ヴィーコ 『新しい学(上・下)』 上村忠男訳、中公文庫、2018年5月25日発行。
一般に『新しい学』と呼ばれるヴィーコのこの主著には、三つの版が存在し、このうち
おなじ上村忠男訳で、法政大学出版局刊行の3巻本を2巻本に再編集した今回の文庫版は、
1744年の第3版(増補改定版)、『諸国民の共通の自然本性についての新しい学の諸原理』の日本語訳です。
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「諸民族の自然本性は、まずは粗野で、つぎには厳格、それから温和、つづいては繊細、
そして最後には放埒である」
「詩的記号の品位をそなえていたからこそ、アリストテレスはホメロスのつく嘘には
他人の及びがたいものがあると言ったのである」
(上・下各巻の裏帯に引かれた、本書の一節)