2018年6月16日土曜日

シンポジウム 『マルクスと商品語』を読む


今月末に開催予定の下記シンポジウムに、コメンテーターとして参加します。
事前予約不要の公開シンポジウムです。

〈シンポジウム〉 今日の資本主義を批判するために- 『マルクスと商品語』を読む

日時: 2018年6月30日(土) 13:30~17:30
場所: 東京外国語大学本部管理棟 中会議室

■ コメンテーター
     浅川雅己 (札幌学院大)
     大橋完太郎 (神戸大)
     真島一郎 (東京外大)
     中村勝己 (中央大)
■ 著者からのリプライ
     井上康 (元予備校講師)
     崎山政毅 (立命館大)
■ 司会
     友常勉 (東京外大)

          井上康・崎山政毅著『マルクスと商品語』(社会評論社 2017年)は、マルクス『資本論』商品論研究の最新の成果である。そしてマルクスに依拠しつつ、今日のグローバル資本主義を批判するための思想的・理論的前提を世界的水準で実現した労作であり、現代社会批判を標ぼうしてきたポストモダニズム批評・存在論的脱構築批評に引導を渡そうとする論争の書でもある。新たな思想上の階級闘争を宣言したこのポレミックな書物を読み解く。                                          (本企画フライヤー リード文)

 
          […]商品論冒頭の価値とその実体としての抽象的人間的労働の導出過程について、マルクスが行った改稿作業の詳細を初版、第2版、フランス語版テキストの比較によって明らかにするという作業は、マルクスが経済学批判体系の礎石を築くために取り組んだ作業を追体験しつつ、著者が考えるその難点の克服を目指すものである。初版では、価値を仮言的に前提した上で抽象的人間的労働の導出が行われた。しかし、現実には価値は、価値として現前するわけではない。それは必然的に交換価値として現象するほかはない。「この現実がまさしくいかなる事態であるのかを、マルクスは解明しなければならなかった。価値はあくまで交換価値の「背後」に「隠れている」のだ。」[…]
          (浅川雅己氏執筆の 『マルクスと商品語』書評文より。 『図書新聞』3353号(2018年6月2日))