岩場由利子
「「共同体」制定過程にみるフランス第五共和制憲法と脱植民地化」『現代史研究』62:1-17、2016年。
鈴木亨尚
「副大統領をめぐる政治-アフリカを中心として」『亜細亜大学アジア研究所紀要』43:45-131、2017年。
現在ボルドー留学中の岩場さんの論文は、フランス第五共和国が発足した1958年からわずか2年間のみ、フランスがサブサハラ・アフリカの当時の「海外領土」をふくめて規定していた「共同体 Communauté」の概念を制度史のレベルで再考するというきわめて興味深い試みです。

(同論文、p.15より)
鈴木さんの論文は、 昨年発表されたご論考「大統領の多選制限をめぐる政治-アフリカを中心として」の続編として執筆されたものです。とくに、複数政党制下の「ビッグ・マン」を考察対象としたラリー・ダイアモンドの大統領制論をふまえて、民主主義との関連で「副大統領をめぐる政治」に焦点をあてた示唆に富む比較制度論となっています。事例として言及されているのは、ナイジェリア、ザンビア、マラウイ、赤道ギニア、南スーダン、ブルンジ、南アフリカ、セネガルの8ヵ国です。
岩場さん、鈴木さん、貴重なご研究の成果を、ありがとうございました。